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函館地方裁判所 平成3年(わ)74号 判決

本店所在地

函館市高松町四二一番地の一〇

法人の名称

有限会社ヤマカ商店

代表者の住居

函館市高松町四二一番地の一〇

代表者の氏名

宮崎弘

本籍

函館市根﨑町三一八番地

住居

同市高松町四二一番地の一〇

会社役員

宮崎弘

大正一一年二月一三日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官倉又彰出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人有限会社ヤマカ商店を罰金一二〇〇万円に、被告人宮崎弘を懲役一年に、それぞれ処する。

被告人宮崎弘に対し、この裁判の確定した日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社有限会社ヤマカ商店は、函館市高松町四二一番地の一〇に本店を置き、魚網及び漁業資材の修理販売等を目的とする資本金一〇〇〇万円の有限会社であり、被告人宮崎弘は、被告会社の取締役(平成三年四月一日以後は代表取締役)かつ実質経営者として同社の業務全般を統括していたものであるが、被告人宮崎弘は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上除外、架空仕入の計上などの方法により所得を秘匿した上

第一  昭和六一年六月一日から同六二年五月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一二六六万二七一六円あつたのにかかわらず、同六二年七月三一日、函館市新川町二六番六号所轄函館税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一三二万五四八九円であり、これに対する法人税額が三〇万一七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額四二四万七五〇〇円と右申告税額との差額三九四万五八〇〇円を免れ

第二  昭和六二年六月一日から同六三年五月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が五三八五万八〇〇六円あったのにかかわらず、同六三年七月三〇日、前記函館税務署において、同税務署長に対し、所得金額が五四二万四三一〇円であり、これに対する法人税額が一四八万四九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額二一四四万九九〇〇円と右申告税額との差額一九九六万五〇〇〇円を免れ

第三  昭和六三年六月一日から平成元年五月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が四六三二万九七〇四円あったのにかかわらず、同元年七月三一日、前記函館税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一〇七八万二九九一円であり、これに対する法人税額が三二六万一八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額一八一〇万〇五〇〇円と右申告税額との差額一四八三万八七〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一  被告人の当公判廷における供述並びに検察官に対する各供述調書(三月七日付、八日付二通、二〇日付、二六日付、二七日付、四月三日付(A))

一  被告人の大蔵事務官に対する質問てん末書

一  宮崎邦廣及び岡広昭の検察官に対する各供述調書

一  石田雅芳、宮崎恵子及び正木茂男の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  大蔵事務官作成の純売上調査書、当期材料仕入高調査書、「当期材料仕入高について」と題する報告書、期首仕掛品棚卸高調査書、期末仕掛品棚卸高調査書、公租公課調査書、受取利息調査書、事業税認定損調査書、脱税額計算書

一  各登記簿謄本

一  押収してある法人税決議書綴(平成三年押第一八号符号1)

判示第一及び第二の各事実につき

一  被告人の検察官に対する供述調書(三月二一日付)

一  渡辺三男の検察官に対する供述調書

判示第一の事実につき

一  佐藤薫、成田健造及び高野哲朗の大蔵事務官に対する各質問てん末書

判示第二の事実につき

一  リスター商事株式会社代表取締役田端侃作成の照会回答書

一  鵜崎一弘作成の確認書

一  大蔵事務官作成の雑収入調査書

判示第二及び第三の各事実につき

一  被告人の検察官に対する供述調書(四月三日付(B))

一  木村恵二の大蔵事務官に対する質問てん末書

一  木村恵二作成の確認書

一  大蔵事務官作成の運賃調査書、支払手数料調査書

判示第三の事実につき

一  森守の大蔵事務官に対する質問てん末書

(法令の適用)

罰条

判示各所為につき法人税法一五九条一項(被告人会社については、更に同法一六四条一項)

罰金額の増額(判示第二、第三)

被告人会社につき同法一五九条二項

刑種の選択

被告人宮崎弘につき懲役刑

併合罪の処理

刑法四五条前段

被告会社につき、更に同法四八条二項

被告人宮崎弘につき、更に同法四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第二の罪の刑に法定の加重)

執行猶予

被告人宮崎弘につき刑法二五条一項

(裁判官 林秀文)

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